菅原さんのお隣さんは、父、母、娘の一般家庭。
菅原さんとは身分が違いますが、お隣さんだし、娘さん同士も歳が近いと言うことで、二人の娘さんはとても仲良く、よく菅原さんちに遊びに行っていたそーだ。
「げんじ様超萌えね!萌え!」
「男はちょーっとキケンな香りする方が萌だよね」
「この優柔不断なところもまたいいよねー」
「ほんと、面白いお話だねー」
「ねぇねぇ、そんでね、新しい
マンガ本買ったんよ!伊勢物語と大和物語!」
「うわぁ、面白そうだね!」
「でしょでしょ!読んでいくといいよ!私、もう一回源氏物語読んでるから」
「ありがと。さすが藤原ちゃん!!・・・あっ、しまった、もうこんな時間。私帰らなきゃ。」
「えー・・・別に夕飯食べてってもいいのに」
「うーん、でも、ママがうるさいから。また明日ね」
「うん、ばいばーい」
とまぁ、きっとそんな会話をして、娘さんはとぼとぼ帰路につく。
そして、思うのです。
「あぁ、うちでも自由に本が読めたらなー・・・長編の源氏物語とは言わないからさ・・・ママに言ってみようかな」
「ねぇ、ママ。」
「なんね。今日も藤原さんとこに遊んどったんね?! ほら、はよご飯並べ!」
「うん、あのさ、ママ。相談なんだけど」
「なんね。」
「藤原ちゃんちね、本がすごーく沢山あって、とっても楽しいの」
「だから?」
「私もね、別にさ、すっごく沢山はいらないから。ほんのちょっとでいいから。せめて「伊勢物語」と「大和物語」くらいは読みたいのよ。買ってくれない?」
「・・・・・・。」
「・・・・ねぇ、ダメ?」
ママ、一瞬ぽかーんとした後、にょきりと角が生える。
「あんたなにアホなこと言うトンの!!菅原さんちは代々えぇ役職してるいいとこの家柄なんよ!本があるのは当たり前の世界なの!ウチとは違うんじゃ!ウチのどこに本を買う余裕があると思っとるの!そんな一文の得にもなりゃせん!本を読む暇あるなら、裁縫のひとつも覚えんか!このバカ娘!」(この母親の言葉は、ほとんど原文の訳ママです。テストに使ってください。ママン超怖い・・・笑)
娘、ちょっとすねる。
「ちょっと言ってみただけなのに・・・」
すると、それまで新聞を読む振りしてて我かんせずだった、パパが、ふと一言もらす。
「本の一冊二冊、買ってやりなさい」
ママびっくり。
「あなた、なんてこと言うの!」
でも、パパは「ふむ」と冷静に言う。
「ママ、考えてもご覧よ、もしこれが男の子だったら、伊勢や大和など、遠いところに旅行に行くことになって、散財していたかもしれん。それを考えれば、本の一冊二冊ですむんだ、安いもんだよ・・・」
パパ、そこで感慨深げに茶をすする・・・
が、それを聞いたママは「うちのパパ、こんなにアホだったなんて・・・」と愕然。
娘「もうこんなウチやだ・・・_| ̄|○」
超がくーり。
そんなお話です。
最後のオチのパパの言葉は、娘の言った「伊勢物語」や「大和物語」を伊勢や大和を紹介した
るるぶ 旅行ガイドブックと勘違いした、ということであります。
それは大いに違う。(笑)そもそも年頃の女の子がそんなのでドキドキするかいな。パパ、女心もわかってないよね。
貧乏一家らしい、けちっぷり、無知っぷりを笑うお話です。この話を収録した作者も「いとおかし」(滑稽だ)と感想を述べていました。
同時に、この一家に漂うほのぼの感というか、生活感というか。
娘がおねだりするに「そんなに沢山はいらない。少しでいいから」と下手に出てるとこもいい。
つか、大爆笑。その一家、ウチですか、と。(笑)
誰もが一度は「ねぇ、●●ちゃんが持ってるから!」とねだったことがあるでしょう。
それで「よそはよそ!ウチはウチ!」と一喝されたことがあるでしょう。
「そんなことより、勉強せぇ!」と
一度くらいは家族の「勘違い発言」に_| ̄|○したことあるでしょう。
藤原ちゃんの気持ちもわかるけど、色んな意味で、もっと私たち寄りの腐女子。名も知らぬその子に、すげー共感。爆笑古典その2でした。
というか、
いつの時代も母親は最凶なんだね!こちらが少し詳しく解説されていらっしゃいます:
http://diary.jp.aol.com/eps6dzvp5dv/328.html